漢方薬での咳の治療

今年も気付いたら12月で、時間の流れの早さに驚きます。年始に今年の目標をたてたのに、少ししか出来ていないことに愕然としてしまった私です。

さて、12月のことを師走と呼びますが、(僧侶)が家々に招かれて読経や仏事に忙しく走り回っていたことに由来しているそうです。薬局も風邪が流行るので忙しい時期になるので僧侶と似たような状況かもしれません。ニュースでも報道されていますが咳止めや抗生物質の品薄・欠品の影響で薬をもらえない患者が増えている様です。最近では漢方薬での咳の治療を求めて来局する方が増えてまいりました。今回は「漢方薬での咳の治療」についてのお話をしてみようと思います。

 日毎に寒さと乾燥が増してくる冬は、寒さが苦手な、そして乾燥が苦手なに失調をきたし易くなります。粘度の低い痰を伴う咳(湿性咳嗽)が出る場合は、腎の機能が寒さで機能を失調しています。そして余分な水分が停滞して生じる咳がでます。一方、粘度の高い痰を伴う咳や空咳(乾性咳嗽)が出る場合は、肺の機能が熱や乾燥で失調しています。

 咳が出る時には、どんな咳が出ているか気にしてみてください。そして腎が失調していれば腎を補う食材を使った料理を作り、肺が失調していれば肺を潤す食材を使った料理を日常に取り入れると症状を緩和できます。ご家庭で食事を作る方は食医の役割を担っておりますので、自分や家族の様子をみて食材を選べる様になると良いと思います。興味がある方は下記の内容を見ていただくと理解が深まります。

【腎を補う食材】

小豆、黒豆、海藻類、山芋 くるみ、枸杞の実、桑の実、葡萄、にら、羊肉、鹿肉 龍眼、白木耳、 鮑、いか、なまこ

腎の機能

成長・発育・生殖の機能を維持する(腎はを蔵す)

②体内の水分代謝の調整により尿をつくる。

③肺を助けて呼吸を円滑にして気を貯える(納気)。

【腎の機能が失調した時の症状

①が失調→発育不良、インポテンツ、骨代謝異常、加齢に伴う症状(足腰の痛み・

     倦怠感・耳鳴り・健忘・頻尿・難聴)

②が失調→排尿障害、浮腫

③が失調→息切れ、呼吸困難

肺を潤す食材】

ゆば、冬瓜、蓮根、杏 梅、柿、みかん、葡萄、林檎 白木耳、牛乳

肺の機能

呼吸をコントロールする。

宣散(気・水を外に向かって発散させて全身に送り、汚れた気を排出する働き)と粛降    (余分な水を膀胱に降ろす働き)をする。

衛気(体表を守る気)を産生し、発汗を制御して外邪の侵入を防ぐ。

【肺の機能が失調した時の症状

①が失調→息切れ、咳嗽、喘鳴

②が失調→体温調整が困難、尿量が減少して浮腫む

③が失調→発汗過多、風邪をひきやすくなる

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